HUMMING LIFE
(やった、偏差値上がった。)



優香の目は、紙を見た瞬間輝いた。



偏差値58から60に上がったのは、
先週末に頑張って勉強したからだ、と
彼女は嬉しくなった。



良い結果が出れば出るほど
楽しくなってくる...



その時だった。



「偏差値なんだった?」



慣れ慣れしい口調が聞こえた。
隣に座っている気配は感じていたが、
興味はなかった。



優香は少し驚きながら隣の子を見る。



(テレビのCMに出てる子みたい。)



瞬間、そう思った。



まつ毛がマスカラでバチバチに上に向けてある。
唇はグロスで輝いている。
チークをしたのか、頬がピンク色だ。



ファッションが派手で、
スパンコールで固めた
大きなハートのTシャツに、
灰色のラメ付きのパーカー、
チカチカする程ミニのスカートは
ほつれているかのようだった。



おへそが見えそうなほど短い
Tシャツを見て、優香は苦笑いした。
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