キャラメル スウィート
「なぁ、アンタの名前は?」
「人に名前聞くときはまず自分が名乗ったら?」
あたしがそう言うと黙る。
もう話しかけてくんなー。
「…そうだよな、俺は岡沢 恭一。
よろしくなッ」
不良のくせに笑った顔は、ちょっと可愛かった。
でもコイツも、所詮あたしの顔しか見ないから。
「別によろしくしたくないし」
こんなひねくれた性格してんのに、何でこうなるんだか…。
「好きです!俺と」
「…」
「付き合って下さいッ!!」
「…ねぇ、好きって何?
あたしのどこが好きなの?」
「えっ?えっと、実は優しいとことか…」
…アンタに優しいとか言われる筋合いないし。
たまに最後まで聞いてみればこれだ。
「無理だから」
そう言って歩きだす。
「ちょ、待って…」
男の手があたしの手首を掴んだ。
「ッ、ゃ…」
「オイッ!俺の亜香梨に触ってんじゃねぇよッ!!」
アイツ…名前忘れたけど。
のおかげで、告ってきた男は消えた。