キャラメル スウィート



回ってた先生が、教科書を降り下ろす。

―バシッ


「ッてぇな!ブッ殺すぞあぁ"!?」

「ヒィッ!」


……やっぱり…


「ベドリントン・テリア…」

「プッ」


前にいる柚姫が吹き出したらしい。

肩が小刻みに揺れてる。


「…不愉快だから黙って座れ」

「あっ、わりぃ」


さっきとは違う態度に、教室がざわめき出す。

まぁ、こんなギラギラの髪してる不良のくせに

態度こんなんだからね。


「先生、さっさと授業進めてくれません?
 只でさえ授業日数減ってるんだから」

「あ、あぁ…じゃあ問16〜…」


あてられた子が答えて、またあてて…の繰り返し。


「亜香梨っ」

「…何」


視線は前のまま、意識だけ隣に向ける。


「さんきゅーな!」

「…はぁ?別にアンタのために何かしたわけじゃないんだけど」

「けど助かったからさ、な♪」

「…勝手に言っとけば」


…なんか、やだ。



< 20 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop