キャラメル スウィート
回ってた先生が、教科書を降り下ろす。
―バシッ
「ッてぇな!ブッ殺すぞあぁ"!?」
「ヒィッ!」
……やっぱり…
「ベドリントン・テリア…」
「プッ」
前にいる柚姫が吹き出したらしい。
肩が小刻みに揺れてる。
「…不愉快だから黙って座れ」
「あっ、わりぃ」
さっきとは違う態度に、教室がざわめき出す。
まぁ、こんなギラギラの髪してる不良のくせに
態度こんなんだからね。
「先生、さっさと授業進めてくれません?
只でさえ授業日数減ってるんだから」
「あ、あぁ…じゃあ問16〜…」
あてられた子が答えて、またあてて…の繰り返し。
「亜香梨っ」
「…何」
視線は前のまま、意識だけ隣に向ける。
「さんきゅーな!」
「…はぁ?別にアンタのために何かしたわけじゃないんだけど」
「けど助かったからさ、な♪」
「…勝手に言っとけば」
…なんか、やだ。