キャラメル スウィート



「触んな」

「ッ、ンだよ!」

「――ッ!?」


強引に手をひかれて立ち上がる。


「コイツ具合悪ぃみたいだから保健室行ってくる!」

「ちょっと…ッ!」

「お前は黙ってろ!!」

「……」


まるでさっきの先生に言うみたいに、あたしに言う。

誰も引き留めずに、あたしたちは保健室に行った。







保健室には誰もいなかった。

あたしは押し込まれて、ドアのそばに立った。


「何だよ触んなって!」

「…てか、構わないでくれる?うざい」

「構うっつーの!!」

「それがうざいっつってんの!!
 あたしに関わらないでよ!!」


そう言うと傷ついたような顔をして…黙った。


「…何でだよ、俺なんかしたのか?」

「……」


違う、コイツは何もしてない…。

ただあたしが、臆病なだけ…。


「何か言えよ!
 黙ってたらわかんねぇだろ!!」

「…なんであたしに構うのよ」



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