キャラメル スウィート



「恭一くんはそばにいる。
 亜香梨が素直になれば、ずっといてくれる。
 ねぇ、亜香梨も気付いてるんでしょ?
 恭一くんはそこら辺の男と違うって…」

「…うん」


いい加減、自分の殻から出なきゃ…。


「アイツどこいんの?教室?」

「教室にはいなかったけど…」

「じゃあどこに…ッ!」


…待って、サボる場所って決まってくる。

もしかして…ッ!!


「ちょ…亜香梨!?」


走り出した。

ちょうど死角になってるとこへ…。

涼しい日影の、そこで


「…また寝てるし」


あたしを変える人を見つけた。

ギラギラの金髪に手を伸ばすと、意外にも柔らかかった。


「…岡沢」


―グイッ プチッ

…あ、ちょっと抜けた。


「ッッてぇーッ!!!!」


指に絡まる髪の毛を払い落として、岡沢を見た。

岡沢はいつものように固まった。


「……」

「……」


見つめ合うこと数秒…。

あたしが何か言わなきゃいけないの…?

はぁ、めんどくさ…。



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