キャラメル スウィート



「岡沢」

「ッ、な、何だよ…ッ」


あたしは素直になれないから。

謝るとか…ムリだから。


「恭一って呼ぶから」

「…は??」

「そゆこと」


そしてあたしは、久しぶりに…自分から、笑った。


「〜〜〜ッ!!」

「じゃ」


柚姫のところに戻ろうと、踵を返す。

…近くにいてよかった。


「亜香梨!!」

「…うるさ」

「あッ、わり…あのさ、俺…そばにいて、いいの…か?」


…さっきのでわかんないのか。

ほんとバカ。


「…どうしてもっていうんなら」

「ッしゃぁー!!!!」

「ッ!?」


いきなり大声を出す岡沢――や、恭一をしばいて、あたしは戻った。

これで良かったのかな…?

うん、これで良いんだ。

あたしもいい加減、進まなきゃ…。







「亜香梨ー♪」


…やっぱあのままで良かったかも。

ニコニコしながらあたしの前に陣取るヤツに向かってため息を吐く。


「あ!何でため息吐くんだよ」



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