キャラメル スウィート
「あ、待ってよ亜香梨!」
足を速めて、ある考えを振り払った。
バイト先まで歩いていく。
そんな日常。
「…何でアンタまでいんの」
「亜香梨のバイト先行ってみたかったんだ♪」
「…あっそ」
正面のドアを開ける。
カランカラン♪
「「こんにちはー」」
「ちはー」
入った途端に聞こえる、犬猫の声。
「お、遅かった…誰だ?」
奥から来た桐生さんが、恭一を見る。
「岡沢 恭一。
こっちはトリマーの桐生 李壱さん」
「…ども」
「…どーも」
「?」
なんか…空気悪い?
換気してないのかな。
「あたしたちは着替えてくるから大人しくしてなよ」
「じゃあね〜恭一くん♪」
軽く手を振って、更衣室に入る。
「ね、亜香梨って桐生さんのことどう思ってんの!?」
「は?何急に」
「いいからいいから!」
急にテンションが高くなる柚姫。
桐生さん、ねぇ…