キャラメル スウィート



“そこ”にいて欲しくない。

“こっち”に来て欲しい。


「早く…来て…?」


そばに居てくれないと不安になるから。


「…〜ッ!!!!」


センパイに何か言って、こっちに走ってくる。

それと同時に心が落ち着いていく。


「おそ…ッ!」

「亜香梨〜〜〜ッ!!!!」

「――ッ!?」


ぎゅっと抱きしめられる。

恭一のギラギラの金髪が頬にかかった。


「な…にすんのッ」


どきどきが伝わらないように引き離すけど、倍の力で抱きしめられる。


「あぁもうまじやべぇ!!!!
 亜香梨可愛すぎ!!!!」

「は、はぁ!?
 いいから離しなさいよ!」

「嫌だ、もったいない!
 可愛すぎなんだよこのやろー!!」


可愛いのはアンタだっつーの!!

体温が上昇していくのが分かった。


「亜香梨顔真っ赤!」

「な、アンタもでしょ!?」


仄かに赤い、恭一の頬。

でもにっこり笑う顔はいつもと同じで、なんかどきどきする。


「あ、そうだ!
 亜香梨アド教えて♪」



< 40 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop