キャラメル スウィート



そーしんっ。

クリアボタンを押して戻る。


「あッ」


何で今日、手元狂いまくるんだろ…ッ。

入ってしまった、個人専用フォルダ。

その中には保護メールが700通以上。

最後のメールが目に入って、視界が霞んでいく。

なんで、忘れられないんだろ…ッ。

♪〜♪〜♪♪♪


【じゃあ飲むのやめる。
 そしたら近づいていいよな?!?!】


「ふっ…」


冗談だったのに…。

恭一、ほんとはね…ちゃんと忘れられてないの。

だからこんなに恭一とアイツをダブらせちゃうのかな。

でも…恭一は恭一、だよね。


【気分による笑】


そんな内容を一旦消して、


【いいよ】


それだけ送った。


「はぁ…」


重いため息。

ぜんぶ、ぜんぶ消してしまえれば

もっともっと楽なのに。

涙で滲んだ目で、鏡を見た。

恭一は何であたしなんか好きなの?

この顔?この身体?

♪〜♪〜♪♪♪


【亜香梨何かあったのか?!
 何か様子おかしくねぇ?】



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