キャラメル スウィート



「もう!恭ちゃんは、えりとその子どっちが大切なの!?」


そう、それ。

不覚だけど、あの子が言ってくれた。

恭一は、あたしとその子、どっちが大切なの――?


「そ、れは…その」

「どっち?」

「亜香梨まで!?
 比べたことねぇし、わかんねぇよ……」


何それ…意味わかんない。


「ふざけないでよ!
 あたしは…っ!」


恭一が好きなのに!!!!


「…亜香梨?」


――なんて、言えない。


自分の気持ちを伝えたって…傷つくだけだから。

ならもういいんだ。


「…ごめん、何でもない…。
 忘れて」


自分の気持ち伝えるなんて出来ない。

裏切られたときの辛さを知ってる。

信じてた人からの言葉が、どれほど痛いか…。


「亜香梨!
 自分の気持ち、抑えちゃだめだよ!」

「…柚姫?」


柚姫を見れば、今にも泣きそうだった。

…柚姫は、今までのこと知ってるから…。



< 50 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop