キャラメル スウィート
ドキドキするじゃん…っ。
てか顔熱いかも…。
気付かれないように顔を扇ぐ。
「早く屋上行くよ」
わざと仏頂面をして歩き出した。
「もう、その癖どうにかしようよーっ」
なんて、隣を歩きながら柚姫が言う。
「無理だし…」
てか、どうにかなるんならあたしが1番どうにかしてほしい。
こんか顔だからか、両親はあたしが物心つく頃には護身術を教えていた。
空手に、合気道に剣道に…柔道も。
だからかつい手が出ちゃって。
「亜香梨〜ちょっとは手加減してくれよ〜」
けど恭一は、こんなあたしでも追いかけて来てくれる。
それがすごく嬉しい。
「…つまり亜香梨さんは恭ちゃんにベタ惚…」
「うるさいっ」
―バシッ
とっさに絵里奈の口を抑えたら力入れすぎたらしい。
俯いて震えてるし…。
「ごめん、力入れすぎた…」
「べたぼ…何だって??」
神様ありがとう。
こいつをバカにしてくれて。
「何でもない」
「亜香梨さ…っ、今の痛かったぁっ!」