キャラメル スウィート



いくら小型犬でも力が強くて逆らえない。


「もぉ…ッ!!」


人を避けながら近づく。

この子、躾直さなきゃ…ッ!


「…じゃ…!」


だんだん中心が見えてきた。

中心には5、6人の不良。

うわ…1番嫌いな人種だし。

よく見れば6対1のケンカで、1人の男の後ろには子犬がいた。

その犬は怪我をしていて


「犬いじめてんじゃねーよッ!」


金髪の男が1人を殴った。

犬のため…。


「うっせぇなぁ!
 テメェには関係ねぇだろうが!
 その犬っコロがこの俺のズボンに…」


ヒュッと、あたしの上段蹴りがその男に入った。


「ぐぁッ!な、なん…!!」

「あんたのズボンがどうなろうが知ったこっちゃないのよ。
 この動物愛護の時代に何してくれちゃってるわけ?死ねよマジで」


ちなみに息継ぎはしてません。


「なッ!可愛いからって手ぇ出さねぇと思うなよ!!」


ショボい正拳突きを避けて、子犬を拾う。



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