キャラメル スウィート
恭一なら…大丈夫、かな。
大丈夫だよね、お父さん…。
「恭一」
「ん?何だよ?」
「守って…くれる?」
じっと、恭一の目を見つめる。
こんなこと、聞かなくてもいいのかもしれない。
だって恭一は、きっと…
「――当たり前だろ。
亜香梨は…俺が守るよ」
そう言って、微笑んでくれるから。
その笑顔を見て、あたしも笑ってから
ジッパーに手をかける。
「…え、亜香梨…?」
名前を呼ぶ声を無視して、服を脱ぐ。
タンクの下には白い、大きなフリルがついた水着。
オニューの買ってよかった…。
ショーパンを脱ぎ終わってから、またパーカーを羽織る。
多すぎる視線は気にしない。
「守って、くれるんでしょ?」
「っ…お、おぉっ!」
その返事に頷いて、手を取る。
驚く恭一は放置プレイで、海に向かう。
少し遠くで、柚姫が驚いてるのが見えた。
泳ぐなんて…小学校ぶり。
お風呂とは違う海の感触に、自然と目を瞑った。
ざわめく世界で、ただ1つ確かなものがある。
この温もりは…絶対、離さない。
ゆっくり振り向いて、ぼーっとする恭一を見た。
この気持ち…少しでもいいから、伝わってほしい。
その想いを込めて、そっと…微笑んだ。