キャラメル スウィート
キラキラ光る海と、恭一の金髪。
ねぇ、恭一から見たら…あたしの髪も、光って見えるのかな。
「亜香梨!
沖まで行ってみようぜ!」
「え、むり。疲れる」
「いーから!
ほらこれ、貸してやるから」
そう言って渡された、大きな浮き輪。
どこに隠してたんだろう…。
あたしは浮き輪に掴まって、少しずつ泳ぎ出した。
うん、何となくだけど泳げる。
「連れてってやるから、絶対手ぇ放すなよ!?」
「うん」
言葉通り恭一はあたしが掴んでいる側とは逆を持って
あたしを沖まで、連れていってくれた。
「ここら辺でいいか…」
「よくこんなとこまで泳げるね」
あたしたちの周りには人っ子1いない。
これ、溺れたらやばいよね…。
――そう思った、瞬間だった。
―ドプンッ
「え…きょ、恭一っ?」
いきなり恭一の姿が消えた。
うそ…沈んだ…!?
え、ど、どーしよう…!
助けなきゃ、でも体、動かない…!
あたしの体は情けないことに、浮き輪の中で固まってしまった。