キャラメル スウィート
「恭一…や、恭一!!」
今まで恭一がいたところに、叫んだ。
出てきて…1人にしないで…っ!!!!
「ぷはっ…ハーイ」
「…へ…?」
あたしを背後から抱きしめる、逞しい腕。
さっき発見した、上腕のほくろもあって…
「恭一!?」
「はは、びっくりしたか?」
無邪気に笑う恭一に、躊躇なく頭突きをかました。
同じ浮き輪の中に入ってたから、クリーンヒット!
悶える恭一のほっぺたを、止めのようにつねった。
「びっくりするに決まってるでしょ!?
し、死んじゃったかと…っ」
ぼろぼろ零れる涙の止め方なんて、知らない。
泣きたくないのに勝手に涙が出てくるんだ。
精一杯の強がりで、顔を隠した。
「…ごめん、そんなつもりじゃなくて…っ」
優しく、けど強く抱きしめてくる。
良かった…このぬくもりが、まだあって…。
「もう2度と、しないで…」
「うん、ごめんな?」
恭一まで泣きそうな顔になるから、許すしかないじゃん。