キャラメル スウィート
何が謝りたいよ…!
「ふざけんな!!」
本気で振り払うと、手が離れた。
真っ正面から睨み付ける。
この間HAPPINESSで見かけた通りの姿。
名前も呼びたくない。
「あんたがしたこと、忘れたとは言わせない!!
何が謝りたいよ!?
そんなこと思ってないくせに!!
いい人面すんのもいい加減やめれば!?
バッカじゃないの!?死ね!!!!」
そのまま走り出した。
あたしを呼ぶ声が聞こえたけど止まれなかった。
柚姫や…恭一の顔を、見る勇気がなかった。
アイツが全部悪い。
けど…気付けなかったのは、あたし。
騙されたのも…あたし。
柚姫だってあたしのせいで傷付いたんだ。
本当は…一緒にいる資格なんて、ないくせに。
結局あたしは甘えてるだけ。
体力の限界が来て、足を止めてしゃがみこんだ。
「は、はぁ…、ごほっ」
息苦しさに涙が出てくる。