キャラメル スウィート
少し、心が揺らいでしまった。
「俺…まじで亜香梨のことっ」
「亜香梨っ!!!!」
「…きょういち?」
林の中から出てきたギラギラの金髪。
花火の光でその顔の焦りがよくわかった。
いつもふわふわな髪も乱れてる。
…探して、くれたんだ…。
あたしと朔也の間に入る、恭一。
きっと、睨んでるんだろうな。
ベドリントン・テリアだから…ふ。
「亜香梨に近付くな」
「…お前さ、亜香梨の何なわけ?
俺が話してんだけど」
「俺は…」
言い淀(よど)んで…口を閉じる。
反論できるはずがない…。
だって恭一は、あたしの何でもないんだもん。
彼氏でもないし…友だち、も微妙だし。
しいていうんならあたしが好きなくらい。
「俺は亜香梨が好きだから、男といてほしくねぇんだよ!」
「…っ」
まだあたしのこと、好きだったんだ。