キャラメル スウィート



良かった…。

ほっと、息を吐いた。

もう少し、あたしが素直になれれば…。


「…何、お前もコイツの身体目当て?
 ならやめたほうがいいぜ?
 コイツガード堅…っ」


―バキッ

そんな音がして、朔也が倒れた。

恭一が朔也を殴ったんだ。


「てめっ…ふざけんな!
 亜香梨のことそんな風に見てんのはテメーだけだ!!
 テメーと俺を一緒にすんじゃねぇッ!!!!」


久しぶりにキレた恭一に、あたしは呆然としていた。

空では場違いにも花火が上がったままだった。


「行こう」


痛いくらいに手を掴まれて、歩き始めた。

さっき言った、アイツのコトバ。

ほら…やっぱり、身体目当てなんじゃん。

一瞬信じかけた自分がバカみたい。

信じない、信じたい、信じてた…信じたかった。

……でもやっぱり、嘘だったんだね…。



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