君と生きる【実話】
「ねぇ〜瑠奈を紹介してほしいっていってる人がいるんだけど、いい?」
「あー‥いいよ」
「ほんと!?ありがとー!てか、今彼氏いないの?」
「いるよ」
「え?平気なの?」
「別にいいよ。彼氏なんて何人いても」
「あはは!さすが瑠奈だね!じゃあ教えとくから〜」
ピッ―
電話を切ってから、電話相手の女を頭の片隅の記憶から探し出す
そして数十秒後に顔と名前が一致する
対して仲良くもない、友達とも呼べるか微妙なくらいだ
そんなのよくある話
何故、自分なのか―
問い掛けなくても答えはでる
女の小さな見栄だろう
自分の紹介する女によって、自分の価値も決まる
そんなくだらない見栄
何度経験しても気持ちのいいもんじゃない
「ふ〜‥めんどくさ」
窓から身をのりだして、煙草の煙を外へと吐き出す
「‥元気でいるかな」
夜空を見上げ、静かに呟く
鳴りやむことなく鳴る携帯の着信音に耳を傾けることなく、電源を切った
何をしてても
どこにいても
思い出してしまう
荒んだ心も
あなたを思えば
安らいでいく―‥
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