君と生きる【実話】
喧嘩
それから瑠奈が光星のもとに帰ってきたのは、二日後だった
もちろん智也と一緒にいた
世界で一番愛しい人は、原因不明の病に侵されていた
病名でいえば若年性アルツハイマーに近いのだろうか
記憶が消えていく‥
智也は瑠奈に
―俺のことは忘れろ―
そう言った
でも、たしかに聞こえたあなたの叫び
―忘れないで―
智也は瑠奈がそばで支えることを拒んだ
迎えにいく、という言葉と智也の意志を尊重して、瑠奈は離れて待つことに決めた
今でも時々考える
あの時、離れたのは正しかったのか‥
意地でもそばにいればよかったんじゃないかと‥
きっとこれが
私の人生の
大きな別れ道だった
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