君と生きる【実話】
「あれ?‥ない‥」
見慣れたはずの携帯に、違和感を感じた
なくなってる‥
つい2、3時間前には触れていたはず‥
なんとなく
そう、なんとなく
嫌な予感がした
智也にもらったキーホルダーがなくなっていたから‥
色褪せても
壊れても
ずっと携帯につけていたのに‥
何故か必死に探した
もらったものなら他にもある
でも、何故か
見つけなきゃいけない
そんな気がした
―‥
「どーした?」
部屋中を荒らす瑠奈に、光星が不思議そうに問い掛けた
「‥探し物」
「何探してんの?」
「‥キーホルダー」
「なんだ、キーホルダーか。そのうち見つかるんじゃね?」
気楽な言葉を投げる光星に、少し苛立つきながらも
やっぱり大切なものは、閉まっておかなきゃ‥
そう思って、気にするのを辞めた
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