君と生きる【実話】
一人
それからは、全てが早かった
智也の人望を表すように、お葬式にはたくさんの人
たくさんの涙
智也の早すぎる死を、誰もが惜しんだ
そして、告別式―
智也の身体がなくなってしまう前に、本当に最後のお別れのキスをした
―‥
後から聞いた話、智也は余命を宣告されていた
それで、瑠奈や仲間に心配をかけないように、人知れず治療に励んでいた
智也の携帯の発信履歴には、瑠奈の名前がたくさんあったらしい
かけることのできなかった電話‥
智也はどんな気持ちの葛藤を繰り返しながら、過ごしていたのだろう
それは、誰にもわからない
あの時、瑠奈が離れなければ‥
悔やんでも悔やみきれなかった
智也は最後に、瑠奈の名前を呼んだんだよ
そう、お姉ちゃんは言っていた
ねぇ、智也
あなたの瞼の裏には
笑顔の瑠奈がいましたか?―
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