君と生きる【実話】
智也がいなくなってからの毎日は、脱け殻そのものだった
無気力な日々
まるで人形のように、笑うことを忘れてしまった
病院に向かったあの日から、光星とのアパートには帰っていない
誰からの連絡も応えることはなかった
この地球の何処を探しても、智也はもういない
その現実が、瑠奈には耐えられなかった
何度も、智也の元にいこうと思った
そのたびに、お兄ちゃんが泣きながら瑠奈を止めた
―‥
そんな毎日の中、ある来客者が訪れた
お姉ちゃん‥
「瑠奈、久しぶり‥こんなに痩せちゃって‥」
そう言ったお姉ちゃんも、随分と痩せたように見えた
「これ‥」
差し出された一枚の手紙
「智也から‥」
智也、という言葉に、身体の全神経が反応した
「智也は本当に呆れるくらい、瑠奈のことを愛してたんだよ‥」
そう涙を浮かべて、お姉ちゃんは帰っていった
そして、この手紙が
智也がまた
瑠奈に生きる希望を与えてくれた―‥
本当に智也は、瑠奈のことをよくわかっていたね
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