君と生きる【実話】
ふと顔を上げると、光星も泣いていた
悔しそうに、拳を握り締めながら‥
「‥お前ばっかり‥なんでそんな辛い思いしなきゃいけねぇんだよ‥」
「‥光星?」
そして、光星は、涙を拭いながら言葉を続けた
「瑠奈‥ごめん。お前がいなくなってから、色んな奴に聞きまくって‥それで瑠奈の過去、色々聞いちまった‥」
「‥そっか」
瑠奈の過去
どこまで光星が知ったのかは、わからない
それでも―
同情だとしても、瑠奈のために涙を流してる人がいる現実
不謹慎だけど、嬉しかった
「‥俺がずっとそばにいるから」
光星は力強く、瑠奈の手を握った
「お前がいなくなってわかった。俺、本気でお前のことが好きだ」
そう言って、瑠奈に優しくキスをして抱き締める
「‥瑠奈は、智也のことが好きなんだよ?」
「いーんだよ‥いつか俺のことだけ見てくれれば。だから、一緒にいてくれよ」
光星の胸の中、瑠奈は小さく頷いた
寂しかったのか、逃げなのか‥
誰でもよかったのか‥
そこに愛はあるのか‥
そんなのは、わからない
ただ、もう一人になりたくなかった
また、光星の気持ちを利用してしまった‥
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