君と生きる【実話】
「瑠奈のことが好きなんっす。‥すいません」
男の気持ちは知っていた
それが光星の怒りに触れることも‥
後ろから微かに、友達がため息をついたのが聞こえた
馬鹿な男‥
流れで‥とか、言えばよかったのに
どうなるかわかったうえで、それでも伝えたい思いだったのだろうか‥
瑠奈は、ただ流れていく景色をずっと見ていた
それから、どれほど時間がたったのかわからない
「お前は帰ってろ」
人気のない空き地に着いた時、光星が瑠奈に言った
嫌だというように、瑠奈は首を振る
「これでタクシー拾え」
そう言って、瑠奈の手に一万円札を握らせた
「‥早く行け。大丈夫だから」
その言葉を信じて、渋々車を下りる
一瞬、男と目があったけど、すぐに反らした
これは、罪悪感なのか‥
そして、瑠奈はタクシーで先に家に帰った
何をしていたのかは、覚えていない
それぞれの゙愛のカタヂ
そんなことを考えていた気がする
光星達が帰ってきたのは、もう夜も明けた朝方だった
.