君と生きる【実話】
「おはよっ」
昨日のことが嘘のように、光星はいつも通りだった
「‥あんたも許すの?」
瑠奈はボソッと呟いた
「‥お前が何回浮気しても、俺はお前から離れらんねぇんだろうな」
苦笑いを浮かべながら、煙草に火をつける光星
「でも‥もう二度とすんなよ」
そう付け足した
瑠奈は、頷くことも否定することもしなかった
わかった、というのは簡単なこと
でも、保証できない約束はするべきじゃない
約束があるから、裏切りがある
約束ほど、人を苦しめるものはないのだから‥
「俺さ、前嫁が俺の浮気を許せなかったのは、100%の愛情が残ってなかったからだと思うんだ」
少しの沈黙の後、光星が口を開いた
「‥どういう意味?」
「浮気されても、100%の愛情があったら許すしかねぇんだよ」
経験はないけど、その気持ちはわかるような気がした
「‥でも逆に、0%の愛情だから許せるってこともあるだろうね」
瑠奈の言葉に、そうだな、と光星は笑った
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