君と生きる【実話】
「駅前にいるから。白いセダンで、ナンバーは××××」
「わかった」
男と会う日、男は瑠奈の地元まで迎えにきた
男の家がどこなのかも知らないけど
急ぐこともせず、カツカツとヒールをならしながら歩いてると、遠くに見える白いセダン
一目でわかるVIP車
自分の周りには、いつもこんな男しかいない
世間一般にいう
"近寄りがたい人"
金髪に近い、長い髪の毛をきつめに巻いて
派手に決めた化粧
露出度の高い衣服
きっと周りからは、自分もそう思われてるわけで
人は見た目じゃない
どれだけ主張しても、やっぱり見た目の善悪に左右される
中学生の頃から、はみだして生きてきた瑠奈には、わかりすぎてる現実
でもね、はみだしてる人には、はみだしてる理由があって
そんな心の叫びに、耳を傾けようとする人なんて極僅か‥
―‥
「よぉ!瑠奈だよな」
気付けば目の前に男がいた
「そうだよ」
自然とでる愛想笑い
「まーとりあえず乗って」
助手席のドアを男に開けられ、乗り込んだ
すぐにエンジンがかかり、目的地もないままに走りだす
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