君と生きる【実話】


「瑠奈は、俺が別れようって言ったらどうする?」


浮気の件のあと、一回だけ光星が聞いてきた


「別れるよ。別れたいっていわれてるのに、一緒にいてもしょうがないしね」


「‥そうだよな」


瑠奈の答えに、一瞬みせた光星の悲しい表情




「瑠奈は、いつになったら俺のことを好きになる?」


光星が言った言葉




いつになったら、智也を忘れられる?―




瑠奈には、そう聞こえた





「‥わかんない」




そんな日がくるなんて、想像もつかない





瑠奈には、智也しかいないから‥





「‥そうだよな。でも、いいんだ」



光星が、瑠奈の手をギュッと握った


「これをつけたままでいてくれる限り、お前は俺の女だから」


そこには、あの日光星がくれたペアリング



きっとこれが、光星にとって、唯一の瑠奈との繋がりだったんだ



恋人は、与えた悲しみ、与えれた悲しみを一緒に背負っていくもの



でも、瑠奈達にはそれができなかった



悲しみは全て


光星一人で背負うことしか‥




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