君と生きる【実話】
「早かったな」
「うん、今日はありがと」
車に乗り込み、来た道を帰ってく
「‥これからは、送っていける時は送っていくから」
両方とも、そう小さな声で付け足した
「ありがとう」
光星の優しさを素直に受け取る
「ねぇ、どこ向かってるの?」
気付けば、家に返る道とは違う風景になっていた
「教えねーよ」
光星が悪戯に笑う
「なんで?」
瑠奈は膨れっ面
「‥ほんと、かわいいな」
信号待ちで止まった光星が、瑠奈にキスをした
「行けばわかるから」
唇を離し、そう言って瑠奈の髪をクシャッと撫でる
そして、再びハンドルを握った
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