君と生きる【実話】
「ここだよ」
着いたのは、綺麗な二階建てアパートの前だった
時間でいえば30分くらい
少し離れてるが、たぶん同じ市内なのだろう
男は途中で買ったお酒やおつまみがはいった袋を片手に抱え、慣れたように鍵をあけた
「汚ねーけど、はいって」
「おじゃまします」
中に入ると、生活感に溢れた2LDKの室内
一つの部屋に通され、ソファーに座る
パッと見の印象だけで、女がいたことがわかる家
今もいるのかもしれないけど、そんなことには興味もない
「とりあえず飲むか」
「そーだね。じゃ乾杯」
「おつかれ〜」
缶同士が鈍く音をたてて、男は半分近く一気に飲み干した
瑠奈もグビッと飲み干し、二人は酒を進める
他愛もない話をしながら、時間はたっていった
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