捨て猫に愛をください
テツと名乗った青年は手に持っていたコンビニの袋をガサガサと探り始めた。
「はい。」
テツは,細くて白くて,血色の悪い手を掴んで,その上に大きなメロンパンを置いた。
「あ…ありがとう……」
「ねぇ,どうしたの?この怪我」
「え…」
痣まみれで痩せすぎの腕や顔をじっと見るテツ。
ぐっと顔を寄せてきたので,煙草の臭いが増した。
テツの付けている銀色のゴツいピアスの恐ろしい模様が,月明かりと少ない電灯ではっきり見える。
「なんでもない……」
「なんでもないわけないじゃん。誰にやられたの?」
「………お…お兄ちゃん…」
「!?……なんで兄ちゃんに殴られるんだよ?」
「わ,かんなぃ…っ!」
「!?」
ボタボタッ
「わあっ!!」
突如,カナミの口から噴き出したドス黒い血がテツの腕に落ちた。
続いてポロッと落ちたそれは真珠ではなく歯。
「カ,カナミ!!」
「だ,大丈夫……」
その時,遠くからパラリラパラリラと陽気な音が聞こえてきた。
「やべ」
テツは急に慌て始め,急いで自分の着ている煙草臭い上着をカナミに被せた。
「ごめん,もう行かなきゃ!」
「……?」
「テツーどこに隠れてんだぁ!?出てこいよー」
パラリラパラリラと原チャの音と罵声が近付いてくる。
「ここに隠れて!!」
「?」
「絶対出てきちゃダメだ!!」
そう言ってテツはカナミを軽々と持ち上げて赤い遊具の中に隠した。
「あいつらに見つかったら廻される」
テツはなぜか煙草を一箱,カナミに持たせた。
吸わない,と断る間もなくテツは走って公園を去って行ってしまった…。
「はい。」
テツは,細くて白くて,血色の悪い手を掴んで,その上に大きなメロンパンを置いた。
「あ…ありがとう……」
「ねぇ,どうしたの?この怪我」
「え…」
痣まみれで痩せすぎの腕や顔をじっと見るテツ。
ぐっと顔を寄せてきたので,煙草の臭いが増した。
テツの付けている銀色のゴツいピアスの恐ろしい模様が,月明かりと少ない電灯ではっきり見える。
「なんでもない……」
「なんでもないわけないじゃん。誰にやられたの?」
「………お…お兄ちゃん…」
「!?……なんで兄ちゃんに殴られるんだよ?」
「わ,かんなぃ…っ!」
「!?」
ボタボタッ
「わあっ!!」
突如,カナミの口から噴き出したドス黒い血がテツの腕に落ちた。
続いてポロッと落ちたそれは真珠ではなく歯。
「カ,カナミ!!」
「だ,大丈夫……」
その時,遠くからパラリラパラリラと陽気な音が聞こえてきた。
「やべ」
テツは急に慌て始め,急いで自分の着ている煙草臭い上着をカナミに被せた。
「ごめん,もう行かなきゃ!」
「……?」
「テツーどこに隠れてんだぁ!?出てこいよー」
パラリラパラリラと原チャの音と罵声が近付いてくる。
「ここに隠れて!!」
「?」
「絶対出てきちゃダメだ!!」
そう言ってテツはカナミを軽々と持ち上げて赤い遊具の中に隠した。
「あいつらに見つかったら廻される」
テツはなぜか煙草を一箱,カナミに持たせた。
吸わない,と断る間もなくテツは走って公園を去って行ってしまった…。