向かい合わせの恋



「じゃあ、あたし待ってるから早くね。」


そう言って部屋を出ていくあたしに直兄は半分寝ぼけた声で


「んー…」


と返事をした。









…はあ。



もう~~!!




今日もドキドキした。


あたしちゃんと普通にできてたかな?


顔赤くない!?


部屋を出てすぐ、ポケットから手鏡を取り出してチェック。





ああー…



悔しいけどあたしは直兄が好きなんだ。



もう何年も好きなんて覚えてない。


物心ついた頃からあたしの隣にはいつも直兄がいて、あたしはいつでも直兄の事が大好きだったんだもの。

< 3 / 41 >

この作品をシェア

pagetop