向かい合わせの恋
だけど、直兄があたしのこと何とも思ってないことくらい知ってるんだ。
幼馴染の壁。
近いようですごく遠いのかもしれない。
恋人でなければ友達でもないかもしれない。
ただの…幼馴染。
良く言えば兄妹みたいなものだもの。
兄妹なんて恋愛対象外だ。
それに直兄から見たら17のあたしなんてどう考えてもガキでしかない…。
歳の差もまた、越えられない、変えられることの出来ない壁なんだよ…。
「行くぞー。」
鍵をくるくる回しながら部屋から出てきた直兄。
相変わらずスーツもビシッと決めて、カッコ良く決めている。
悔しいくらいに。