―雪女郎― 凪雛
第一夜
鈴が鳴る
ここ吉原に、夜見世の時が訪れた。
遊女の波。
そこにのる一人の少女。
美楼閣最年少座敷持ち。
雪洞 ボンボリ。
凪雛の下で禿時代を雪月として過ごした後、一年前、座敷持ちへと各を上げた。
歳十二で座敷持ちへの格上げは、美楼閣で初となった。
理由は二つ。
容姿がずば抜けていること。
大きく少しだけ釣り上った二重の瞳。
筋の通った鼻。
形の良いぷっくりとした唇。
同世代の座敷持ちなんかは目でなく、美楼閣座敷持ちの中でも上位に入るほどの容姿であった。
ここ吉原に、夜見世の時が訪れた。
遊女の波。
そこにのる一人の少女。
美楼閣最年少座敷持ち。
雪洞 ボンボリ。
凪雛の下で禿時代を雪月として過ごした後、一年前、座敷持ちへと各を上げた。
歳十二で座敷持ちへの格上げは、美楼閣で初となった。
理由は二つ。
容姿がずば抜けていること。
大きく少しだけ釣り上った二重の瞳。
筋の通った鼻。
形の良いぷっくりとした唇。
同世代の座敷持ちなんかは目でなく、美楼閣座敷持ちの中でも上位に入るほどの容姿であった。