―雪女郎― 凪雛
「わっちが女将さんと話していたのを聞いていたんだ。」








凪雛が寿を見て言った。







「まさか、言うとは思わなかったが。」







寿が体を震わせた。







「でも、何でそんなことを・・・」








「呉葉も案外寿のことを分かってないな。」







心配した声の呉葉を、氷雨が遮った。







「噂は事実だと確信を持っていた。寿は、わっちと凪雛が止め、呉葉が番付けで一位。ここの花魁になることを望んだんだろ。」








「そして、姐がいなくなることにより壊れるだろう、織閖と雪洞の後釜も狙ったってとこか。」








氷雨が、呆れたように言った。







呉葉は、驚いた顔で寿を見つめた。
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