―雪女郎― 凪雛
「アンタの禿はもう一人前になって、身請けされたでしょう?また、新しい子が来んした。」







女将は、風華に優しい微笑みを浮かべて言った。








どうやら風華がお気に入りらしい。








「アンタの禿は、あっという間に売れっ子遊女になる。期待してるんだ。さぁ、誰でも好きな子を一人選んで・・・」








女将が言い終わらないうちに、風華は立って、三人の子供の前でしゃがんだ。









「あんた達、名前は?」








「ゆ、夕・・・」







端に怯えて座っている少女が言った。








「あたいは、船。」







気の強そうな子が、冷めた瞳で言った。







「オマエさんは?」







真ん中で、俯いている少女に風華は優しく問いかけた。
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