―雪女郎― 凪雛
第十二夜
ダンダンダンッ







朝から大きな足音がする。








「天秤!!」







花魁風華が、勢いよく戸を開けた。








「そろそろ来るころだと思っていたよ、風華。」








天秤が、ため息をついて言った。








「どういうことでありんすか?」








「なんでお雛が先秦倶に行かないといけないんだ?」








先秦倶 センシンク。







当時吉原一を誇った女郎屋。







しかし、遊女への残虐な扱いや労働の厳しさにおいては、噂になっていた。
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