―雪女郎― 凪雛
「対等に話せる立場じゃないんでね。要求は受けないと、店が潰されちまうんだ・・・」








天秤がぽつりとつぶやいた。







「風華花魁、三人を連れてきました。」








「ありがとう。下がっていいよ。」








座敷にお雛とこの葉と氷柱が入ってきた。








「なんでありんすか?風華姐さん。」








お雛が下を向いて言った。







それを見た風華は、勢いよくお雛に立ち寄り、無理やり顔を上げさせた。








「お雛・・・」








お雛の瞳は真っ赤に腫れ、涙にぬれていた。
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