―雪女郎― 凪雛
「ねぇ、天秤にね。二つの願いがあるの。」







月を見上げて、言った。








「なんでも聞こう。」








「そう言ってくれると思いんした。」








風華は笑った。








「一つ目に、この子達に名代としての名をわっちからあげたい。」









「この葉は、呉葉。氷柱は、氷雨。」








「お雛は・・・凪雛。」








「わかった。」







天秤は短く答えた。
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