―雪女郎― 凪雛
第十八夜
「雪洞?」
夜中の回廊を走る中、ふと呼び止められた。
「呉葉姐さん・・・」
簪は一本も指しておらず、髪は切られていて、いつもならあり得ない山吹色の着物を着ていた。
「何処か・・・行くんですか?」
呉葉は、しっと唇に指を当てた。
「みんな寝てるでしょう?」
「予定が早まったの。今夜、礎に送ってもらって、ね。」
「女将さんのお知り合いの寺で、生涯を送るつもり。」
優しく微笑んだ。
夜中の回廊を走る中、ふと呼び止められた。
「呉葉姐さん・・・」
簪は一本も指しておらず、髪は切られていて、いつもならあり得ない山吹色の着物を着ていた。
「何処か・・・行くんですか?」
呉葉は、しっと唇に指を当てた。
「みんな寝てるでしょう?」
「予定が早まったの。今夜、礎に送ってもらって、ね。」
「女将さんのお知り合いの寺で、生涯を送るつもり。」
優しく微笑んだ。