―雪女郎― 凪雛
「姐さんが・・・くれたんだ。」









「やっと、わっちは解放されたんだ。雪洞。」









凪雛は、静かに雪洞の肩に手を置いた。








「最後に言っておく。わっちは、お前が姐さんの娘だからといって、守ってきたわけじゃない。」









「わっちは・・・あんたを愛していたよ。わっちの宝だ。」









そして、ゆっくりと立ち上がった。








「ありがとう。」








そして、背を向け、籠に向かって歩き始めた。








ふと足をとめた。








「もうひとつ、言わないとな。」








そして、優雅に振り返った。
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