―雪女郎― 凪雛
「少し嫌味に聞こえるな。」







凪雛が苦笑いして言った。







「お前に、言っておかないといけないことがあってね。」







「何でありんすか?」








凪雛はしばらく何も話さなかった。






「凪雛姐さん?」






「あ、あぁ。実は・・・」







「凪雛花魁。」







若い禿が凪雛を呼んだ。







「なんだい?」







「女将さんが、花魁をお呼びでありんす。」






「分かったすぐ行く。」







凪雛は、雪洞をチラリとみて、禿を従えて歩いて行った。
< 8 / 69 >

この作品をシェア

pagetop