Lovers STATION
1
耳にはイヤホン、化粧に勤しんでいるかと思えば
携帯を開き受信メールを確認する女子高生たち。
彼女たちに注がれる冷たい視線
そんなものには目もくれず、
自分の世界に没頭をしているようだ。
いいや、何もそれは、
彼女たちに限ったことではない。
大のおとなが我が物顔で
新聞を大きく広げ、
ズボンがはち切れんばかりに
その脚を開いている。
いつもの風景、いつもの朝、
そして、いつもの虚無感―――。
いつもと同じ時間に、
同じ車輌で揺られる私。
誰にも悟られないように
小さくため息をつく。
もちろん、私を気に留める人間が
この空間にいないことくらい知っている。
だけど、誰にも気付かれたくなかった。
彼らに紛れ、それでも彼らと混ざりたくはない。
彼らに染まりたくなかった。
あの人に愛された私は
特別な存在なのだと思いたかった。
私は再び、小さくため息をついた。
携帯を開き受信メールを確認する女子高生たち。
彼女たちに注がれる冷たい視線
そんなものには目もくれず、
自分の世界に没頭をしているようだ。
いいや、何もそれは、
彼女たちに限ったことではない。
大のおとなが我が物顔で
新聞を大きく広げ、
ズボンがはち切れんばかりに
その脚を開いている。
いつもの風景、いつもの朝、
そして、いつもの虚無感―――。
いつもと同じ時間に、
同じ車輌で揺られる私。
誰にも悟られないように
小さくため息をつく。
もちろん、私を気に留める人間が
この空間にいないことくらい知っている。
だけど、誰にも気付かれたくなかった。
彼らに紛れ、それでも彼らと混ざりたくはない。
彼らに染まりたくなかった。
あの人に愛された私は
特別な存在なのだと思いたかった。
私は再び、小さくため息をついた。