先生

―――ガラッ

いきなり教室のドアが開き
ざわめいていた教室が
静かになった。

そして、ドアを開けた人物を確認すると、
みんな
おとなしく席についた。


「それじゃ優月またね!!」


鈴も私に笑顔で手を振り
自分の席へと
戻って行った。

教卓へと目を向けると
そこには
男の人の姿があって……



「えー今日から
このクラスの
担任になった矢田春人だ。
よろしくな!!」


そう言って
男の人は明るく微笑んだ。
この人が
私の
担任の先生になるんだ……


明るくて
面白そうな先生だった。

年齢は34歳。
理科の先生らしい。


そして左手の薬指には
キラキラと
光に反射して
指輪が輝いていた……


「このクラスで1年間
一緒にいい思い出を
いっぱい作ろうな!!」


そう言って
生徒一人一人を見渡す
先生の瞳は
とても優しかった……

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