水色なお姫様


「そう、解いてみなさい。」


先生は気を取り直して、強気に出たようだ。


いいきみだ~
あたしは心の中で笑っていた。

だって、「やりなさい」と言われた問題は普通の高校生が解けるようなものではない。







でも・・・・・

こいつはスタスタと前に行くと、

カリカリカリカリ・・・・

チョークを持ってすらすらと解いてしまったのだった。

先生もあんぐりしている。


解き終わると、またスタスタと歩きあたしの横まで来ると「フッ」っと笑って席に着いた。

座ったと思ったら、スースーと寝息を立ててまた眠りについた。



あー、ムカつく!!

もうそれからは目を合わせないようにしようと誓った。

授業が終わると、すぐさま顔を伏せているか、外を見ているあいつに一生懸命話しかけに女子が集まってくる。


ごくろうさんです。

こんなの顔がいいだけで、肝心の中身は真っ黒くろすけなんだよ。
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