水色なお姫様


あたしはお昼までそいつと目を合わすことはなかった。

お昼のチャイムがなるとぞろぞろ立ち上がる生徒


あたしと美妃は購買に行こうと並んで廊下を歩いていた


すると、向こうからハルにぃがいるのが見えた。



「おぉい!大丈夫か、足」

心配して来てくれたのだとあたしでも分かった。


「大丈夫」

と笑って見せると、本当に安心したような顔をしていた。

(凛でも、男の前で笑うんだとか思わないでね。ハルにぃは美妃のお兄ちゃんだからだよ)



すると

「おーい、羽琉稀行くぞ!」

ハルにぃの友達と思われる人が、ハルにぃを呼んでいた。


「おー。 じゃな、美妃と凛」
手を振って去って行った。


あたしたち二人は購買に行き、パンとパックに入った紅茶を買って中庭へ行った。


そこで目に入ったもの。

ベンチの上で横になっている一人の男。



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