水色なお姫様
電話を切った後、心臓がバクバクしているのに気づいた。
男の子に名前で呼ばれたのは初めてだった。
昔から、普通とは違う空気を持っていたみたいで男子に話しかけられることも少なかった。
だからだと思う。このドキドキが収まらないのは・・・。
でも、美妃に秘密を作るのは嫌だった。
今まで、あまり人と接してこなかったあたしを受け止めてくれた初めての親友だ。
でも、修飛にも迷惑はかけたくない。
もやもやした気持ちがあったが、そのうち修飛にも了解を得て紹介しようと思った。
リビングに戻ると、ママとみぃねぇはとっくに食べ終わって、テレビの前で紅茶を飲んでいた。
あたしはまだ食べかけのオムライスをつついているとみぃねぇに声をかけられた。
「ねぇ。誰からだったの?」
「え?と、友達?」
「友達?男の子?」
「な、何でそんなこと聞くの?」
「だって、凛。顔赤いよ?」
「う、うそ?!」
「うん。だから、なんかあったのかなって」
「なんもないよ・・」
「そう?なんかあったら言ってねぇ」
そういうと、みぃねぇはテレビのほうに向き直った。