水色なお姫様





玄関を開けると、ぐいっとリードが引っ張られた。


伝次郎は相変わらず、あたしの前をくるくるとまわっている。




伝次郎はあたしを引っ張るようにして、目的地へと急いだ。


「キャンキャン」

鳴き声とともに伝次郎は足を止めた。

やっぱり・・・


そう、伝次郎があたしを連れてきたのは公園で、きのうと同じ男の子が伝二郎と遊んでいた。



「おっ!来たねぇ」

男の子が口を開く。

「お、おはよ」
あたしがいうと、にこっと笑って、

「おはよ♪」

と言ってくれた。



伝次郎はとっくに走って行き、伝二郎が遊んでいたボールを取り返していた。


それにまた伝二郎が飛びつく。

2匹でじゃれあっているのはすごく可愛い。
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