水色なお姫様


あたしたち飼い主は、近くにあったベンチに腰掛けた。


「よくきたね」

男の子がまたニコッと笑う。

「伝次郎に起こされて・・・」

「あっ、君も?オレもオレも!朝からペロペロ顔なめられて」

「同じ同じ!」

「アハハ。なんか、以心伝心?」


そう言って、アハハと笑っている。

ぴたっと笑うのが止まったと思ったら、

「そういえば、君の名前は?」

なんかすごく忙しい人だなぁ。

「凛だよ。雪白凛。」

「りんちゃんかぁ。可愛いね。」

かぁ///

顔が熱くなるのを感じた。

動揺を隠そうとして


「あんたは?」

と聞こうとしたんだけど、声が裏返って、

「ぁんたはぁ?」

となんとも間抜けな問いになってしまった。
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