水色なお姫様




「あははは、声裏返ってるよ?凛ちゃん? 大丈夫? オレ?オレはね 美里 勇司(みさとゆうし)よろしくね」

ニコッと笑うその姿に心臓が爆発寸前だ。

あ~、あたしこんなキャラだっけ??

もう。美妃ぃ。助けて!!




一人でごちゃごちゃ考えていると、

「あっ!もうこんな時間!オレ、撮影あるんだ。帰んなきゃ。」

「撮影??」

「うん。シャインってアイドル知らない??」

「知ってる・・・。ってまさか!」

「そう。オレアイドル!。仕事中は”勇”だけど」

「・・・(ぽかーん)」

「おーい。凛ちゃんも学校じゃない?」

その問いかけにあたしがこっちの世界に引き戻された。




あたしの意識が戻ったのを確認すると、伝二郎を抱えて走っていった。

帰り際

「また、明日来てね?」

と耳元でささやかれた。
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